清水一輝が全日本を制す

2011年度の全日本MTB選手権大会は猛烈な暑さの中、富士見パノラマにて開催されました。
ダウンヒルシニアエリート男子、勝ったのは清水一輝(AKI FACTORY TEAM)でした。
Kazuki SHIMIZU
決勝の走り、一輝は大岩を飛ぶと聞いていたので僕も少しだけ賭けにでた撮影を。
実際には見たことのないラインなので想像だけを膨らまして待っていたのですが、、、なんてことはない。
彼は普通に他のライダーと何ら変わらず大岩を超えて、ほんとスムーズに走り去って行きました。
後で聞いたら進入に失敗して飛ぶことはできなかったそうです。
それにしても結果オーライとはこの事。
太陽も味方してくれました。

さて、一輝について少し。
井手川直樹率いる海外遠征隊の一員として先日のWC北米サーキットに参加していた一輝。
井本はじめと同じ1992年生まれの19歳、今年のJシリーズ開幕戦では同い年のはじめが勝って、
いわゆる世代交代を推し進めようとするヤングメンの一角です。

Jシリーズを撮影する僕が俄然、一輝の走りに注目するようになったのは昨年の開幕戦。
箱館山で見たその暴力的でさえある走りはオフのトレーニングが充実していたことを物語っていました。
そしてそれは近いウチに勝つ事になるだろうと予感させるに十分な仕上がりだったのです。

ところがその開幕戦以降、リザルト的には今ひとつ振るわなかったですよね。
また怪我などもあってキレのある走りと引き換えに不安定な側面を露呈するシーズンとなった印象があります。

そんな一輝ですがカナダ、モンサンタンで久しぶりに元気な走りをする彼を見ることができました。
それはアメリカ、ウィンダムにおける練習走行の頃には「カズキは乗れてる」との確信に変わったのですがやはり結果がついてこない。

そして彼から話を聞いても自分で納得できるランを肝心な場面で決めることができていないとの事。
やはりもう少し経験を積まないと厳しいのかなぁ、、、というのが僕の率直な感想でした。

今回、多くのライダーが速いラインを見極めるべくコースウォークとライン読みに時間を使った新設シングル。
この暴れた走りはたまたま撮れたものではありません。
一輝はどちらかというとシンプルにあまり深く考えず、単純に最短ラインを結び毎回ネットの向こう側に飛び出かねない勢いで練習していたのです。

ここだけじゃなかったと思うんですけど、後で彼に聞いたら結局いろんな場面で博打を打ちつつ、勢いを大切にした走りをしたそうです。
そしてそれは北米で学んだ事だ、とも話してくれました。

2011年の全日本を制したのは清水一輝、正直言うと僕はここで彼が一発決めて来るとは思っていませんでした。
それにしても恐るべきはヤング世代の成長のスピード。
J初戦で勝ったはじめ、モンサンタンでDH,4xともに予選を通過した九島勇気、そして一輝は日本チャンピオンに。
結果や経験を自信に変えてしまうことなどは当たり前なのかもしれません。

勢いで突っ走る若手と絶対的安定感を誇るベテラン勢。
3強、と言われた時代もそのカリカリとした緊張感を楽しめたものですが今、確実に何かが変わりつつあります。

MTBレースファンの皆さんからすればとても面白くて見応えのある、そんな2011シーズンはこれから後半戦に突入していきます。